リフレッシュ!スポーツサイクル



休日のエントランス前にて

【2015年9月】

その日、社員寮のゴミ一掃作戦を展開していた特殊工作員が物陰からスッと近寄ってきて「いい出物がありやすぜ!だんな!」と耳打ちしてきた。
かれこれ7年間ものあいだ開かずの間だった113号室に決死の突入を試みた部隊は多くの犠牲者を出しながらも雨戸を開ける事に成功!
突然眩しい日光にさらされた現場は百戦錬磨の隊員らを戦慄させるに十分な様相を呈していた。
最後の入居者が去ってからの7年間に極秘に運び込まれた怪しげなダンボールの山。
そこには○○商事様、△△証券様など、語るもおぞましい辛い日々の遺産が眠っていたのだった。
今回の掃討作戦で生き残った隊員たちは過去の歴史をいやおうなしに回顧する形となりその場に呆然と立ち尽していた。
そしてそんな中、一際目を引く大きなダンボールを発見したT隊員が見たものは・・・・・・Don't miss it!


えっ?・・・・もういいから早く始めろ!って?・・・・すみませんでした・・・・・。



ミニベロだったら興味無いからすぐに返そう・・・・と箱を覗いてみると700Cっぽいホイール見っけ!おっ!
そしてその次に目に飛び込んできたのがなんと!SMPの文字だったのだ!
7005mkU製作でさえ高くて手が出なかったサドルがそこにあるではないか!
「しょ〜がないなぁ〜!んじゃ貰ってあげるよ・・・・」などと上ずった声でしゃべりながら、もう両手一杯に運び出そうとしている自分が居る・・・・。

持った感じ「ん?重い!」少なくともカーボンやアルミではない。
フレームの細さからクロモリである事は明らかだ。
自分の部屋に運び込んでドサッと下ろしてみるとシートステーの付け根あたりにデッカいコブが付いている。
どうもサスペンションのようだ。

え〜っ・・・・ちょっとガッカリしたところでさらに驚愕!なんと!フロントフォークが前後2本あり合計4本出ている。
なんと!なんと!フロントもサスペンションが付いていたのだ!
ん〜・・・・ちょっと聞いたことないんですけど・・・・こんな形のバイク・・・・。

ともかく石橋製だという事は判ったのでフレームに書いてある「RADAC」をググッてみる。
ラダック?レイダック?そんなブランド知らない・・・・。
しかしいろいろ調べているうちに判ってきたスペックはこうだ。(↓)
------------------------------------------------------------
・名称:ブリジストン レイダックSE RDS-48
・フレーム:CR-MO クロモリ(前後サスペンション搭載)
・トップチューブ:530o
・シートチューブ:490o
・ステム:NITTO Cr-Moクロモリ
・ハンドル:NITTO バーハンドル
・ポスト:STRONG
・サドル:AVOCET
・ブレーキキャリパー:DIA-COMPE
・ハブ:EXAGE 400EX
・ギア:1×7段 SIS
・リアディレイラー:シマノ EXAGE 400EX
・タイヤ:700×28cクリンチャー
・ホイール:ARAYA 700c
・ペダル:MKS PROMENADE
・サイズ:1760×1020×540(mm)
・重量:12.9kg
・発売開始日:1994年5月
・価格:80,000円
------------------------------------------------------------
とまぁ、21年前の骨董品である事が判明。
しかし一方では当時のブリジストンの技術威信を掛けた製品であった事も伺える。
重量12.9kgは当時ではかなりの軽量部門に入る訳で、なんかその年のグッドデザイン賞も獲ったらしいぞ!

まぁ・・・これが切欠で赴任先用の自転車欲しくなってきちゃってるし、でも新たに買うと散財しちゃうし・・・20年前のフレームとはいえ折角ここにあるんだから・・・どうせだったら楽しんでレストアしてみよっか!・・・・・って。
だから今回のコンセプトとしては、
・レストアに終始し、できるだけ原型を留める。
・無駄なアップグレードはしない=余計なお金は掛けない。
・重要保安部品は無条件交換。
・全てのパーツを分解グリスアップ。
とする。

という訳で今回の題名だが、この当時はまだ「ロードバイク」って名称が無かったらしく、どこの記事を見ても「スポーツサイクル」と言っている。
もちろんフラットバーだのクロスバイクだのって言い方も無かったのだろう。
よって単純に「リフレッシュ!スポーツサイクル」とした。
んじゃま、始めますかね!

先ずは箱の中身はなんじゃろかいな♪

ペダルにスタンド。
特に新調する必要もなし。
そのまま使おう。

シマノのキャリパ?
ほとんど新品のようだ。
純正がダイアコンペなのでアップグレードするつもりだったのだろうか?
まぁ、折角あるんだからレストア完成後に交換してみるか。
パーツに「BR-A550」とある。
どうも昔の105シリーズらしいのだが、もうどのサイトにも解説がなく時代が判らない。
前後重量がセットで397gである事は判明した。

シマノのリアシフター7速。
あれ?そういえば装着しているシフターは8速だったな。
純正は7速だよな?
って事は7速から8速に交換したんだな。
「ST-MC18」とあるがもう判らん!

そうえば改めてフロントがシングルなんだな。
まぁ、シンプルでよいわな!

どうもシフターとブレーキはユニットらしい。
ハンドル径は22.2mmである必要がありそうだ。

試しに計測してみると確かに!

ちなみにクランプ脇の径を測ってみると25.3mmだったので1インチ(25.4mm)である事が判った。

ついでにステム外径も・・・・っと。
25.4mmで間違いなし!

この調子で進めると時間が掛かりそうなので詳細は個別に見ていく事とし、取り敢えずは全体的に浚(さら)ってみる事にした。

やっぱり一番目立つこれでしょう!
7年間放置とはいえ、室内保管だけあって意外に綺麗。
しっかし見れば見るほど変な姿。
フレームに稼動部が4点もある。
シートステーとチェーンステーが稼動するなんて何か想像が付かないな。
まぁ、乗り心地を楽しみにメンテをしていこう。

当然こっちだって負けてない。
何だ?この構造は?

さらに調べを進めると、どうもエアやオイルといった類のものではないらしく、スプリングとゴムダンパー(エラストマーというらしい)だけで構成されているらしい事が判明。
逆に言うとそのゴムダンパーが死んでいたらもう再生(リペア)は不可能らしい事が判った。

レイダックSEに関する記事は世の中にほとんど無く、ネット上の希少な情報を結合すると、スプリングだけではボトムして人間をささえる事は不可能だそうな。
そして生産台数が少なかったこの珍車の現存している殆どがもうダンパーが無い(経年劣化による破砕で消滅している)状態なのだそうな。

フロントに関して言えばフォークを交換すれば何とかなるが、リアに関してはもう廃車にするか溶接の領域に入るしかないらしい。

そっか・・・・って事は、無理に抗(あらが)う事なくこのまま走行可能な状態までメンテした上で、サス関係が乗り心地に重大な影響を与えるようなら廃車決定だな。

悲しい事だけど、たかがゴムや樹脂パーツ一つの非互換で廃車にする愛用者の無念さを生産者は知るべきだ。

という訳で、この時点で先のコンセプトを変更する。
・とにかく走行可能になるだけのレストアを実施。
・重要保安部品に障害があっても大丈夫なように公道には出ないで敷地内だけのテスト走行とする。
・サスの稼動に問題がなければ改めてコンセプトを作って続行する。問題あれば廃車。
とした。

無条件交換予定だったパーツは以下の通り。
・前後タイヤ+チューブ+リムテープ
・前後シュー
・全インナーケーブル
・全アウターチューブ
・チェーン

この中で「とりあえず交換しないと走行可能にならない」パーツはタイヤ+チューブ+リムテープだけ。

ん〜・・・・廃車の可能性大?・・・・の現状でタイヤとか買いたくないなぁ・・・・・が本音。

まぁ、とりあえず現行のタイヤ&チューブを剥がしてから考えよう。

実は運び込んだ時から薄々気づいていた・・・・・このホイール軽くね?
どうしても12.9kgに装着しているホイールとは思えなかったのだが、改めて調べてみるとアラヤではなくシマノだった。
あれ?・・・・と型番を見ると「WH-R540」とある。
えっ?・・・・もしかしてR500より上のグレード?

なんと!
フロント:825g
リア:1045g
価格:29,000円
というまともなホイールを履いていたのだ。

今7005mkUに履いているALX280だって、
フロント:770g
リア:1070g
定価:23,000円
で、その差は+30gでしかない。

10年以上前のホイールにしちゃ十分じゃね!?
しかもシマノだからオープンベアリングじゃん!
嬉しい!

こんなホイールがタダで手に入っただけでも幸せ。
これならタイヤ+チューブ+リムテープを買ってもいいや!!

早速シマノスモールパーツで調べる。
・リム内径:13mm
・リム外径:19mm
との事なので、
13*1.4〜2.4=18.2〜31.2
と、なんでもよさそうだ。

万一乗れた場合、23Cはさすがに辛いだろ・・・・スーパーへGO!号としては・・・・。
やっぱ25Cか28Cだな。(現行ではpanaracerの28Cが付いている)
どうせならR3にも履けるように28Cにしよう!

またパーツリストから、
フロント・ベアリング:3/16インチ22球
リア・ベアリング:1/4インチ18球
という事も判ったのでこれも取り替えよう。

という事で、
タイヤ:Panaracer パセラブラックス 700×28C
チューブ:Panaracer スポーツタイヤ用 27〜31C 仏式48mm
リムテープ:Panaracer ポリライトリムテープ PL700-15 15mm
フロント・ベアリング:3/16インチ40球(2袋)
リア・ベアリング:1/4インチ18球
を購入。(詳細は巻末にて!)

空気入れだって必要だ。
さすがに身近に仏式タイヤを履いている人は居ない・・・。

秤はアナログを用意してみたが、やっぱ1g単位で測定するには無理!
デジタルにしよう。

デジタル用意した。
早速いろいろ測ってみよう!

先ずはSMPだ!
やっぱ重いな・・・・。

フロントホイール。
825gに対して+1gは上出来!

リアホイール。
1070gに対して-40gは驚き。
これじゃ合計1856gでALX280+16gという値。
すごい!

さすがにこれは重いか。
105に対して+84g

さて、タイヤ。
クローザープラスの208gと比較したら可哀想か。
でもグラディオーロ用シンコーの723gに比べれば・・・・。

ミシュラン エアストップの100gと比べてもいい感じ。

シュワルベの25gより軽い!
でも何か嫌い・・・・今度はシュワルベにする。

フロントベアリング。
20個で10gだから22個で11gになる。

リアベアリング。
18個で20g。

先ずはフロントから。
まぁ、無条件交換って事で。

あれ?20個しか入ってない!

片側11個で合計22個必要なのに2個不足していた!
ちゃんと調べてからメンテしないとこうなる例。

ウェスで綺麗に拭き取ってから。

新しいベアリングを用意。
これは1袋20個の写真。
22個必要なので予め用意した2袋を開ける。

ウレアグリースをたっぷりと塗りたくり!

片側11個をブチ込む!

続いてリア。

片側9個で合計18個。

リアはフロントの3/16インチ(直径4.76mm)に比べて1/4インチ(直径6.35mm)なのでかなりデカい。

片側9個入れてウレアをたっぷりと塗りこむ。

ついでにハブも掃除するか!と用意していた12mmの六角レンチをあてがうもアウト!
大きすぎた・・・・・残念!
また今後にしよう・・・・。

ハブはそのままにグリスアップして封印。

次にタイヤの装着に移る。

あれぇ〜?
チューブってこんなにデロデロだっけぇ〜?
あっ、そうか!
今回28Cにしたから、27-31とかいうデッカいのを買ったんだ!
こうなるんだ・・・・。

パナレーサーの空気入れの使い方が判らない・・・・。
あれこれ弄り回していたらこんなアタッチメントを見っけ。
え?わざわざアタッチメント付けるの?

このアタッチメントをねじ込んでから被せてロックするらしい・・・・。
面倒臭さっ!

さてタイヤが完成したから装着しよう。
あれ?このクイックなんかシンプルだな?レバーが無いぞ・・・!?
・・・・クイックじゃない!!

六角締めだった。
え〜?面倒臭さっ!

あっ!でも今気がついた!!
レバーじゃないって事は外すの面倒臭いんだから街乗りには良いんじゃね?
だって盗まれにくいって事だよな?
よし、このままにしておこう!

という訳でホイール周りのレストアだけ完了の図。

タイヤ以外で唯一交換したパーツはシート。
だってSMPは7005mkUで使ってみたいんだもの・・・・。
だから7005mkUの最初で使っていたシートと交換。

ハンドル長は530mm。
なんかちょっと歪んでる気がするのだが、今は節約を優先させてこのままにしておく。

cateyeの無線サイコンが搭載してあった。(CC-MC100W)
ケイデンスが出せないようなので、これはこのままここで使おう。

ライトも100均か? まぁ、使えそうなのでこのまま。

テールはこれも付いていた100均のライト。
やっぱりリアサスのポッコリが笑える!

さぁ、とりあえずこれで走れる状態になった。

サスの影響はどうなんだろうか?
このまま廃車か!?
それとも趣味のレストアに入れるのか!?

【シェイクダウン】

我慢できずに(!)このまま夜間のテスト走行!

先ずシートに座る時に「クニャ」と沈み込む。
「え?パンク?」と驚いてタイヤを見る・・・・何でもない。
フロントサスがフルボトムしたことによる感触だったのだ。
いや〜・・・気持ち悪い・・・これ・・・!

でも走り出した後は全く感じないので、乗っている時はきっとボトムしっぱなしなのだろう。
軽い段差にも全く反応しないことから、逆にノーマルフォークと同じ扱いが可能。
しかし一度降りて(用事を済ませてから)もう一度乗るとやっぱり
「えっ?パンク?」とタイヤを見てしまう・・・こりゃ慣れだな・・・。

ライトとテールを光らせて恐る々そのまま公道に出てみる。(だって我慢が・・・・)
深夜なので人通りが皆無の中、スーパーまでの1kmをゆっくりと往復してみる。

ふむ・・・・サスペンションの経年劣化的な問題は無い様だ・・・・・。
尤も、チェーンやブレーキの経年劣化に配慮した(何時切れても壊れてもOKな)走りしかできないので何とも言えないのだが、少なくとも自転車としての機能は果たしているようだ。


ん〜・・・・じゃま、このままレストア続けてみますかね!

順序としては、
@ディレーラー掃除
Aチェーン交換
Bハンドルバー交換
Cシフト・インナー&アウター交換
Dブレーキ前後キャリパ交換
Eブレーキ・インナー&アウター交換
Fシートポスト・サドル交換
Gハンドルグリップ交換
Hベル取り付け
I全てのボルト(ネジ)の増し締め
J全ての摺動部(稼動部)へのグリスアップ
となる。
こののちに防犯登録を済ませば、とりあえずは大手を振って公道を走れるというものだ。

次の順序としては、
・スポーク張力調整
・ディレーラー交換
・レバー交換
・シフター交換
・スプロケ交換
・クランク交換
などがあるが、現状で特に走行に障害がある訳でもなさそうなので当面は考えない。

最終的には”フレーム交換”(!?)になるのだろうが、こうなるともう別の自転車を作り上げるのと同じ事になってしまうので、
初心忘れず!=ロハで貰った自転車を安く活用しよう!
を心がけていこう!!

【レストア開始!】

先ずはパーツを注文するにあたって調査した結果。
・ハンドルバークランプ部径:25.4mm
・ハンドルバーグリップ部径:22.2mm
・シフト・インナーワイヤー径:1.2mm
・シフト・アウターチューブ径:4.0mm
・シフト・アウターキャップ径:6.0mm
・シフト・インナーワイヤータイコ形状:ロード用

・シフト・アウターチューブ長1:400mm
・シフト・アウターチューブ長2:260mm
・シフト・アウターチューブ長3:270mm
・ブレーキ・インナーワイヤー径:1.6mm
・ブレーキ・アウターチューブ径:5.0mm
・ブレーキ・アウターキャップ径:6.0mm
・ブレーキ・インナーワイヤータイコ形状:MTB用

・ブレーキ・フロント・アウターチューブ長:380mm
・ブレーキ・リア・アウターチューブ長1:400mm
・ブレーキ・リア・アウターチューブ長2:265mm
・シートポスト径:25.4mm
となった。

2日後、モノタロウからドサッと届いた!
やっぱ楽しいわなぁ〜・・・消費って!

シフト・インナーはお気に入りのSCS
一度このワイヤーを引いたらもう他のワイヤーは使えない!

ブレーキ・インナーは力技なのでテフロンでなくてもステンであればOK!

アウターは初めてアリゲータを買ってみた。
確か以前はシマノと径が違っていて使えなかった記憶があるのだが・・・・。
でもまぁ寸法にシフト4mm、ブレーキ5mmとあるのでOKだ。(改心したのか?)
シフトに関しては付属のアウターキャップがシールドタイプだった!スゲッ!

グリップもお気に入りのV-GRIP エルゴグリップ
水に濡らして位置決めしたら終了!ってのが好き!

サドルは「CIONLLI VAPORコンフォートゲルサドル」というのを選んでみた。
ビニールではなくウレタンの上にナイロン繊維の布張りを被せた感じで「雨に濡れたら染みそう・・・・」ってな感じ。(使ってみないと判らないけど!)
ちなみに製造年月は2014年10月で1年前のものだった。

チェーンは流石にシマノ
シートポストは300mm仕様。
パーツクリーナーは大量消費用の激安品だ!

翌日にハンドル到着。
長さ540mm
ベント6°

さて、翌週の日曜日。

届いたパーツたちを前に先ずは「パーツクリーナーいきなり1本使いきり攻撃!」から。
さすがにこれは油脂がしみるので外に出して実行。
フレームからカセットからステムまで1台丸ごと洗浄!ってな感じで吹きまくる。
黒い汚れが滝のように流れ落ちる。
1本を使い切る頃にやっと黒い液が収まり始めた。

もちろんこの後全てをウエスで拭く。
洗浄剤とはいえ、ベンジン(イソヘキサン)がたっぷりとかかっているのでフレームからパーツから磨く。
大まかな汚れ(油系)は殆ど取れている(脱脂)ので腐食していない金属はピカピカに輝きを取り戻す。

先週までにワイヤー関係は全て撤去済みなので、不要となるチェーンを撤去する。

せっかくバラすのだし、せっかく新品のシマノ前後セットがあるのだからキャリパーも交換してしまおう!

このサス用ステーはキャリパーが外しにくいな。
六角レンチが入らない・・・・。

前後とも外す。

取り付けステーの長さをチェック。
リアは問題なし。

フロントはえらい違いだ。
ステーを交換しようとダイアコンペをバラして天を仰ぐ・・・・。
単純なステーボルトではなく、専用のパーツだった!
スプリングを挟んでいる中央部分がステーと一体だったのだ!

じゃぁ、そのまま移植しちゃえ!ってやってみたら、キャリパー側が2mm干渉してしまう事が判明。

仕方が無い・・・・フロイントは諦めよう・・・・リアだけシマノでいくか・・・。

リアだけ取り付けてみるが、やっぱりサス用のステーが邪魔だったので、サスとステートを切り離す。

あれ?
ステーってこんなに伸びるんだ。

ここまでやったらサス自体も外したくなる。

ここまでやったらサス自体をバラしたくなる。

このピンを抜くと「ビヨ〜ン!」ってぶっ飛ぶのかとちょっとビビッてみたが何の変化もなし。

ってか、そのままパカッって開いちゃったよ・・・・。

ってか、何かドサッって出てきたよ・・・・。

これが、関連サイトにあった「スポンジ状のエラストマー」ってやつか・・・・。
本来はダンパーの役目をしていたらしく、スプリング全体の回りを竹輪のように覆っていた。
スプリングの収縮をこの竹輪で制御してダンパーの代わりをしていたらしい。

しかし経年劣化により竹輪が粉末になってしまったようで、さすがにこうなってはただのゴミだである。

実際に目で見て理屈が理解できた上で判断すると、
単なるスプリング=しかもまったく使い物にならないくらいに弱い(ばねレートの低い)ものがお尻の下に付いている。

だから常に(乗車している時は)フルボトム状態であり、運転には何の影響もないのではないか?
(もともとこんな所にサス要らないし・・・)

つまりこのまま無視しておけばいいだけではないのか?

という事になった・・・。

あれ?
この黒いカバーは単に上のケースに付いているだけだよな・・・。

このまま上下をボルトで固定したって、上と下が分離状態じゃん!?

ん〜・・・・もしかしてエラストマーのダンパーが無かったら、MTBのようにオフで大ジャンプとかしたら分離しちゃうんじゃね?

ん〜・・・・そんな事しなきゃいいのか・・・・!?

まぁ、ロードでタイヤがスネークバイト起こさない程度に乗るぶんには問題ないのか・・・・。

そっと元に戻しておく・・・・。

さて、ブレーキの続きだが、ここまで来て面倒な事実を知ってしまった!

このサスの構造からくるキャリパーの取り付け位置は、一般的なロード車と高さが違っていた。
RADAC SEは一般ロード車よりキャリパ位置が高く、その結果、シューがリムではなく、タイヤに干渉してしまうのだった!

この写真ではキャリパがスプリングによって最大限に広がっているのでリムから離れている。
だから一見丁度いいように見える位置が、シューを締めるとタイヤに当たってしまうのだ!

これは参った・・・。
だから前のオーナーは取り付けをしていなかったんだ・・・・。

仕方が無い・・・・リアもダイアコンペに戻そう・・・・。

結局、一般流通のシマノ製品は使えない専用フレーム設計である事が判ったのだが、ステー長だけでなく、シューの上下まで意識しなければならないとは知らなかったよ・・・・。

いや、勉強になりますなぁ〜!

純正のダイアコンペに戻すと何事も無く装着できる。

ま、もうちょっと(趣味で)勉強して代替品でも探してみますかね。




【後述】(2015/11)
実はこういうところでまだまだ素人!が出るもんだと実感した。
調べてみるとちゃんと「アーチサイズ」或いは「アーム長」といった名称で、いろんな種類が存在するという事を知った。
このへんを参考に長さを測れば適切なキャリパに換える事ができそうだ。

新品チェーンの取り付け。
2コマ落とし。

役に立ってます!
蛍光灯の紐ガイド!

さてハンドルも何となく歪んでいるように思えたので交換。

交換するにはレバー類を外す必要があるのでグリップを抜かなければならない。
しかしグリップは通常固着しているので壊して取り替えるのが常道。
だからカッターで切り刻んで捨てるのだが・・・・。

このグリップって21年前の純正品なんだろうなぁ・・・。
もしかしてレアなマニアにとっては垂涎ものなのかもしれない?
調べるのも面倒なのでカッターで切っちゃうけど!

バッサリ。

純正品が520mm。
今度のが540mm。

純正品のほうがチト重い。

7005mkUのドロップが235gだからバーって本当に軽いんだな。

こんな感じで仮止め。

いつの間にか日が落ちている。
11月の17時はもう真っ暗だ。

最後にシートポストとサドルを交換して今日はここまで。
後はハンドル回りとワイヤリングだけだ。

どうよ?
ちったぁ綺麗になったべ?
21年前に生まれた自転車くんよ!

そだ名前付けないと!
やっぱり「ザ・レイダックお買い物号出動せよ!」号だろ!?
オサレな前かご付けちゃったりしてさ!

毎度お馴染みのグリップ装着。
水道水を溜めては捨ててそのまま挿入!
ギギッ・・ギギッ・・って言いながら入っていく。
直後はギュッっと力を入れれば位置調整が可能だが、数時間もすれば全く動かなくなる。
やり直すには破壊&再購入しかないので注意!

レバーの位置決め。
この時点でもう本番用に固定してしまう。

さて、いよいよワイヤリングに入る。

一気に瞬断しないと綺麗な切り口にならない事は経験済みなのでバッサリやる。
ポンチで穴確保は必須。

鉄ヤスリで面取りも必須。

もうクセなので、新旧とか高価安価とか関係なく、フレーム保護目的のシリコンを挿入。

下からガイドで通す機構ではないのでここにも必要だ。



この時点で試走Part2。
ブレーキとシフトの初期伸びを取るため走りまくりの握りまくり。
機能しないサスの気持ち悪さを除けば特に問題なし。

ポジションに関してはやっぱり近いな。
ちょっと測ってみよう。

TTが530mmに対してシート・ハンドル間が650mm。
7005mkUがTT535mmのシート・ハンドル間が668mmだから、ほぼ同じと考えていい。

なのにこの近さは何だ?と考えると、

7005mkUのクランク・シート間が674mmに対するクランク・ハンドル間が579mm。
それに比べてクランク・シート間が665mmに対するクランク・ハンドル間が635mmと圧倒的にハンドル高が高い。

要はハンドルが高すぎて上向いちゃってる・・・・って事だ。

だけど我が「ザ・レイダックお買い物号出動せよ!」号は1km先のスーパーまでの快適さが命な訳だ。
だからハンドルが高いのはポジション的にOKなのだよ・・・。

つまりこの窮屈感を払拭するには「ステムを伸ばしてハンドルを遠ざける」しかないという事だ。

これで次の課題が見えてきたぞ!
次回はコラムを「なんちゃってコラム」に代えて長いステムを採用してみよう!

ちなみにクランク長は165mm。
自分のベストは167.5mmなのでとってもいい感じ!!



(つづく)















調達パーツ一覧 menu
パーツ名 メーカー 型番ほか 価格(円) 重量(g) 備忘
タイヤ Panaracer パセラブラックス 700×28C 3,980 494 @1,990円
チューブ Panaracer スポーツタイヤ用 27〜31C 仏式48mm 1,898 120 @949円
リムテープ Panaracer ポリライトリムテープ PL700-15 15mm 938 21 @469円
フロント・ベアリング   WH-R550-F 鋼球3/16インチ 480 10 1袋20球入り。22個必要なので2袋。Y's Road
リア・ベアリング   WH-R550-R 鋼球1/4インチ 240 20 1袋18球入り。Y's Road
ベル Y.W.S YWS-633A 219 -  
エルゴグリップ V-GRIP V-20688 649 -  
HGチェーン 116L 6・7・8速用 SHIMANO CN-HG40 869 335  
サドル VAPOR コンフォートゲルサドル 6870 1,990 600  
シートポスト リンエイ - 599 - 25.4mm
サドルクランプ(やぐら) CIONLLI - 259 -  
ハンドルバー FF-R FFR-136 1,590 179  
シフト用アウターケーブル ALLIGATOR LY-166UD 399 -  
ブレーキ用アウターケーブル ALLIGATOR LY-220UB 329 -  
テフロンコーティングシフトワイヤー SCS - 669 -  
ATB/MTBブレーキ用インナーケーブル ALLIGATOR LY-BSTSK10 219 - 1000mm
ATB/MTBブレーキ用インナーケーブル ALLIGATOR LY-BSTSK20 279 - 2000mm
合計 \15,606  

ツール menu
パーツ名 メーカー 型番ほか 価格(円) 備忘
Panaracer 楽々ポンプゲージ付(ロングホース) 2,390
ブレーキ&パーツクリーナー 大阪魂 199 840mL 2本
六角棒レンチ8mm 旭金属工業(旧新日本ツール) AW0800 86  
六角棒レンチ10mm 旭金属工業(旧新日本ツール) AW01000 139  
タイヤレバー モノタロウ M-Q14052 349  

調整ほか menu
項目 内容 工賃(円)
スポークテンション調整 ALX280のスポークテンションを張力値は無しで振れ取りと一緒に調整(800円/本) 1,600















































おしまい。